vol.33 折り加工・のりしろのある作品、蛇腹折りのチェックポイント

2014/12/4


折り加工・のりしろのある作品、蛇腹折りのチェックポイント
 紙でできている印刷物は「切る」「折る」「綴じる」という工程を経て完成されます。チラシなどの1枚ものは「切る」で仕上がり、リーフレッ卜などの折り加工品は「切る」「折る」で完成、冊子や書籍などは「切る」「折る」「綴じる」で出来上がりです。vol.35では「中綴じ製本」の折り加工と誌面サイズのポイン卜についてご紹介しましたが、工程が機械的で単純と思える折り加工品には企画・制作の段階から確認すべき注意点があります。今回は折り加工・のりしろのある作品、蛇腹折りのチェックポイン卜についてお伝えしたいと思います。
 折り加工で仕上がる印刷物では誌面各ページが独立している場合もあれば、誌面が数ページにわたり繋がってデザインされている場合もあります。また、般若心経などが書いてある「お経」は誰もが知っている蛇腹折りの典型的な商品ですが、ひろげてみると長い一枚の紙ではなく途中で繋ぎ合わされて一冊になっています。2枚で繋がれている場合、その2枚はほぼ同じ大きさですが、どちらかに「糊(のり)しろ」があり、一方がその分長くなっています。折り加工や蛇腹折りの製品は使用する印刷用紙のサイズに応じて全体の長さが決定されることが多く、印刷用紙の最大寸法を超える場合は繋ぎあわせるという作業が必要になるのです。


この様な製品を作る場合、私たちが最初に考慮するのは次の通りです。


DearCOLORの商品「POPHARAMITA」は6山折りです



★効率の良い全体寸法


★「糊しろ」の位置とその幅を決める
のりしろはどちら側につけるのか、のりは表か裏か、制作を始める前に決めておくべきである。
*誌面とは関係がない部分のため忘れられやすい。



★折り山の数の確認

印刷会社や依頼先が所有する折リ機によって加工が可能な山数が異なります
*必ず印刷会社に折り加工が可能な「山数」を確認しましょう。
 ページ、数は山数によって決まります。


★「糊しろ」とデザインの関係(問題があるケース)

のりしろや折り目に文字を配置してしまうと読みにくくなる場合がある。


のりしろや折り目に顔写真などが配置されるとクレームの原因となる。


十文字折りなど、開閉を繰り返すことで穴が開いてしまいやすい位置には文字や顔写真が来ないように注意しましょう。


*POINT*
最初にチェックポイン卜に基づいた完成型のプロトタイプをつくり、それに対して文字を置いたりデザイン制作をすれば、間違いのない製品ができます。



この記事はミラテックマンスリーリポートvol.6より抜粋しています。