vol.14 ミスしたその時、社会人として、一人の人間としてどうあるべきか

2013/5/10


人間はミスをするものです。

パーフェクトを目指すべきなのはわかっていても、人間とは実に多くのミスをします。モノづくりの失敗だけではなく、判断の失敗、決断の失敗など、人為的ミスから精神的ミスまで、人間は人生においてこれらの経験を積み重ねて立派に成長していくのだと思います。

印刷会社の仕事である印刷物をお使いいただくに当たり、売上のアップ・ダウンへの影響という面で考えたとき、お客様が取引上にミスをされた際の対応は大変重要です。

大抵の場合、ミスをしたからと言って相手が極限までの怒り心頭に達することはごくまれです。表面的には大変お怒りでも、心の中では「人間だもの」と許してくれているものです。

ただし、問題はアフターケア、自分のミスを何とかごまかそう、自分が損しないように取り繕おう、相手に問題をなすりつけるなどは論外ですが、「絶対にご迷惑をかけない」という信念と誠実さを欠いていれば、ついつい問題を先送りしたり、果たすべき責任を十分に果たさなかったりしますが、これは後々大変な問題になります。

「信用ならない人間」「信用ならない会社」のレッテル、これが最も問題です。カタログやパンフレット、会社案内、新聞折り込みチラシ、工夫を凝らしたお名刺など、あらゆる広告物の基礎は「信頼に足る会社であり人物である」ことが大前提なのです。

私たちは反社会的な人たちからの仕事はすべてお断りしています。しかし、取引上のささやかな不誠実の履歴などは私たちの目に見えるものではありません。しかし、丹精込めて作らせていただいた作品である印刷物に、お客様からの反響が少ない、売り上げにつながらないなど、なぜうまくいかないのか疑問な時があります。

そんなときには営業担当者の説明の仕方、商品説明の表現や、商品・サービスその価値などを見直したりしますが、過去のトラブルの履歴は私たちから直接は質問しにくい一方、しばしば埋もれているものです。

誠実さが最も顕著に表れるのは、問題が起こった時、最後までとことんお客様のために動けるか、誠実に対応できるか。この方がお客様にとって、はるかに信頼関係が高まる瞬間なのではないでしょうか。

社員教育というよりも、人間の心を磨くこと、人間社会ではとても大切なことですね。「よき人財は何よりも最高の広告」だと実感いたします。