vol.20 未来を生み出すためのコンセプトワーク

2013/5/29


日々の仕事とは違い、経営者やリーダーたちの仕事は「無」から新しい事業を生み出す作業が多いのではないかと思います。たとえそれがいつもの仕事を少し違う形で行うことも同様です。

たとえば、今までに出店したことが無いイベントや展示会に出展しようと思いついたなら、決断することから、様々な打ち合わせや準備を経て、出展当日を迎えることになります。

そしてその成否は何で決まるのか。当然目標を達成するための準備ができていたか、イベント企画中は目標達成のための行動がとれていたか、準備自体が正しかったか、などでしょうか。

準備期間の間に大切な事は、関わる全ての人が「出店の目的」と「期待される効果・結果」をはっきりと認識することが必要です。その認識を全員の共通言語として準備を進めればまず間違いなく目標は達成されるでしょう。

この全員が認識すべき概念をコンセプトと言い、概念を決めることをコンセプトワークというのですが、コンセプトは正しく導き出さなくてはならない、これがなかなか大変な作業です。

コンセプトはふつう30文字前後の文章で表現されていることが求められ、その内容は極めて具体的で、わずか30文字ほどの中に「あるべき姿の全てが凝縮されている」ことが要求されます。

コンセプトワークは時間がかかる作業ですが、コンセプトが正しくできていれば、目標の達成まで誰一人道に迷ったり、方針がぐらついたり、本来の目的から外れてしまったり、意見が分かれて迷走したりすることがありません。全ての判断は「コンセプトに沿っているのかどうか」で判断ができるからです。

印刷会社が印刷物を受注する際にも、あらゆる場面で大小のコンセプトワークを行います。そしてご注文を頂くお客様、それも最終決済を行う担当者様を含めた全ての関係者様にコンセプトのご説明と確認をした上で作業に入れば印刷会社、お客様共に方針が定まり、スムースな仕事運びとなります。

無から物事を生み出す、あるいは新しいことへのチャレンジの際には、関係者が一枚岩で同じ目標へ向かって最大限努力することが大切ですが、全員のベクトルがあっていなければ意見はたちまち分裂してしまいます。

常に、「何のために、どんな方法で」を決めてから行動すると全員のベクトルが一致し、物事は順調に進めることができます。