vol.34 歴史を知る、先人の歩みを知る、大切な「記念誌」 第1回

2014/12/11


『記念誌とは』 
  ● 組織の成長過程の記録である。
  ● 単なる記念品などではなく、日々活用するものである。
  ● 時代の変化にさらされる次世代の「経営や運営の指南書」としての役割を果たす存在である。

記念誌の編集、その意義

会社や組織がその歴史を重ねていく過程で節目の年を迎えます。記念誌はそのような歴史の節目に発行されるものですが、記念誌発行にはどのような意義や重要性があるので、しようか。
記念誌は節目の年を迎えた企業や組織がこれまでの歴史を振り返り、様々な活動を通じた出来事や成長の過程、時代を支えた方々からのメッセージを後世に伝えるために編集されます。

私たちが記念誌の編集でいつも願っていることは、単に記録として保存されるだけではなく、その後の新しい歴史を刻むにあたり日々ご活用いただけることでございます。記念誌の編集は印刷物の中でも特に長い時間と大きな予算を投じて行われるものです。また、その編集にあたっては編集委員会を設けられることが多く、通常の印刷物の制作よりもはるかに多くの関係者が一致協力することにより完成されていきます。そういう意昧で記念誌の発行は会社や組織の一大事業であると言えます。

では記念誌にはどのような役割があるのでしょうか。記念誌は単なる記録にとどまらず、その企業の成長過程の様々な出来事を詳細に編集することによって、時代の変化にさらされる次世代の「経営や運営の指南書」としての役割を果たす存在となることが大変重要なのです。

歴史を重ねる企業・組織は順風満帆な時代も試練の時代も乗り越えて今日があります。その時代、環境をどうとらえ、改善し、努力し、乗り越えてきたのか。企業や組織が永続するためには古いものと新しいものとの世代交代と新陳代謝を繰り返すことで時代を乗り越え続けていく必要があります。記念誌を通じて先人がいかに努力をし成長してきたのか、どう業態変革を成し遂げてきたのか、また、どのように考え、どう行動し、社員が心を一つにして生き抜いてきたのか。記念誌にはこれらのことが全て書いてあるのですから、単なる記録や記念品などではなく、次世代を担う人たちにとっては重要な情報であり、それぞれの企業や組織にとっての経営や運営のマニュアルであるとさえ言えます。新しい仲間たちが未来を創造していく過程で出会う様々な出来事に勇気をもって対応し、組織の永続を図るために記念誌は大変重要な存在であると同時に、その編集はとても意義深いものなのです。




この記事はミラテックマンスリーリポートvol.7より抜粋しています。