vol.39 紙の目

2015/6/1


紙の目


T (タテ目)・Y(ヨコ目)、紙には「目」があります。この目を決めるのは単純なタテ型A4サイズ、B5サイズ等の一般的な印刷物であればわかりやすく、トラブルになることは少ないでしょう。しかし、商品が多少複雑になったり、特別な用途で使用する場合は注意が必要です。デザイン、編集作業の際には紙の「目」の事も考慮して仕様を決めましょう。



紙の「目」の基本

A1
タテ目(T目)
全紙(断裁される前の紙)に対し、長い方向に目が流れている。
B1

ヨコ目(Y目)
全紙(断裁される前の紙)に対し、短い方向に目が流れている。



冊子や書籍の場合、紙の「目」は綴じている部分と並行して流れていることが大切です。(イラストl)例えばA4の場合、標準的に作られるタテ型の冊子なら紙の「目」はヨコ目が適切です。同じA4でもヨコ型の冊子であればタテ目になります。(イラスト2)もしも紙の「目」の指定を間違えたら「写真1」のように冊子は歪んでしまい、ページが聞きづらく読みにくいものになってしまいます。
また、厚手の紙で折り加工を必要とする場合、紙の「目」が「写真2」のように折り目に対して平行であればきれいに折れますが、逆になっていると「写真3」のように「割れ」などの問題が生じます。


(イラスト1)
A4冊子の紙の「目」。
綴じているところと平行に紙の「目」が走っている。

(イラスト2)
冊子がヨコ型ならそれに合わせて紙の「目」も変わる。


(写真1)
逆目だと湾曲し聞きづらく、冊子全体も歪んでしまう。



(写真2)
紙の「目」と折り目が合っている。

(写真3)
紙の『目」と折り目が合っていない。


蛇腹やそれ以上に複雑な折り加工を施す場合

展開サイズがA2。この場合の折り手順は、:①蛇腹5回折り②2つ折りをして仕上がり 紙の目は折り数の多い:蛇腹折り方向のタテ目。


小さい冊子や変形サイズ、印刷機や製本機、折り機のスペックによって様々なチェックを要する場合などがありますので、印刷会社と詳細に打ち合わせをして下さい。



プリンターに通して使用する印刷物の場合

印刷物の用途により紙の「目」を決定しなくてはならない場合があります。報告書、発注書、稟議書、申込用紙など、様々な用途のフォームとしてプリンターに使用する場合、使用する機材によっては「丸まってしまう」「紙詰まりエラー」(用紙厚や用紙の種類など、プリンターのスペック確認も重要になります)などの問題が生じる場合がありますのでご注意下さい。最近のプリンターは汎用性が高く、このようなトラブルは少なくなっていますが、構築したシステムなどの関係で年式の古いプリンタが稼働している場合は特に気を付けましょう。


用紙を通す方向、湿度、定着の際の加熱など様々な原因で驚くほど用紙が丸まってしまう。


プリンターを通す際に生じるトラブルの原因は主に次の通りです。
口プリンターのローラーと同じ方向に用紙の目が通っている
口プリンターの定着部が高熱を発する
口上記に加え、雨天など湿度の高い日

プリンター用紙として使用する印刷物の場合は必ず実際に使用するプリンターにてタテ・ヨコ両方の用紙で数枚テストし、問題が生じないかを確認してから印刷を依頼することをお勧めします。