vol.40 営業活動の標準化

2016/10/4


お得意先への訪問や新規開拓、ルートセールスなど、人間が行う「営業」は企業にとってご注文を頂き、それによって売上を上げ、利益を得るという商売上最も大切な活動の一つであるといえます。しかし、マンパワーが主体となるだけに、人による成績のバラつきが生じるだけでなく、担当者が変わるとお得意先との大切な取引関係が壊れてしまったなど、その「人となり」までが業績を左右し、一つ間違えば会社を一瞬にして危機に追い込みかねないのも営業という仕事だと思うことが多々あります。そんな仕事ですから企業としての必須課題である、標準化、マニュアル化は多くの企業が苦労をしています。

人間教育、スキルの教育など、どうしても能力による差が出る部分は平素から年月をかけて積み重ねていかなければなりませんが、行動や活動についてはある程度標準化することは可能だといえます。それには組織が情報を常に整理し、更新し、厳重に管理することが先ずは大切だと思います。例えば「顧客リスト」は管理がされていて当たり前ですが、更新、最適化ができていない場合が大変多いのが現実です。また、受注活動であれ、販売活動であれ、会社が用意した商品やサービスを計画的に営業部にスケジュールし、販促活動を行うことも大切です。売上目標だけを与えられた営業マンが各々の裁量で自由に動き回るだけでは組織的な事業計画は成立しません。それこそ能力によって大きなばらつきが出るでしょうから、目標とする売上、利益を確保するのが「当たるも八卦」になってしまうでしょう。特に大切なのは「新規開拓」ですが、これも苦労の種です。新規開拓はとても厳しく大変な努力が必要です。会社にある既存のお取引先を担当させてもらい、そこへルートセールスする方がずっと楽なのですから、営業マンもそこへ逃げてしまい、新規開拓が一向に進まないことが多く、任せていても時間の無駄なケースが後を絶ちません。

いずれにしても、営業活動と取引先の拡大、売上アップには並々ならぬご苦労がある事だと思います。釈迦に説法かもしれませんが、私たちの営業活動のパターンについてご紹介します。


(営業必勝パターン)
①既存顧客に加え、展示会出展・交流会への参加・ご紹介・など「見込顧客の発掘を会社のシステムとして繰り返し」、見込を含めた「顧客リスト」を常に作成・更新する
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②会社の計画として「営業マンのエリア担当を任命」し、そのエリアのリストを各営業マンに与える。
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③「営業訪問頻度を会社が決定」し、スケジュールする。
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④営業マンが訪問できる「ツール、広報誌などの情報発信ツール・ノベルティ・新商品・サービスのカタログ・パンフレットなどを会社が用意」し、訪問リストの数と同数のツールを各営業マンに預ける。
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⑤「顧客リストと訪問記録により、営業活動を進行管理」し、新規取引獲得件数、売上高、「目標までの残高を毎月チェック」する。不足や進行遅延があれば「会社がバックアップし、必ず標を達成」させる。
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⑥「PDCAサイクル」(PLAN・DO・CHECK・ACTION)を繰り返し、改善を続ける。


企業にとっての営業活動標準化に際してのポイントは次の通りです。
 「見込顧客の発掘を会社のシステムとして繰り返す」
 「顧客リスト」
 「営業マンのエリア担当を任命」
 「営業訪問頻度を会社が決定」
 「ツール、広報誌・ノベルティ・カタログ・パンフレットなどを会社が用意」
 「顧客リストと訪問記録により、営業活動を進行管理」
 「目標までの残高を毎月チェック」
 「会社がバックアップし、必ず標を達成」
 「PDCAサイクル」


これは一見すると「何もかも会社が用意して営業マンは操り人形のように動くだけ」のように見えますが、逆に言えばこれらの活動は企業として最低限やるべき当たり前のことであり、これにプラスアルファの能力を営業マンが発揮することで鬼に金棒となり、会社の継続的繁栄が期待できるようになります。こういう標準化がされていなければ、結果が出ないがどうしたらよいのかわからない、適当にマイペースで仕事をし、スキルも経験も蓄積されない営業マンが社外をさまよい、無駄な経費を垂れ流している事にも気が付かないといった状況になってしまいます。

私たちミラテックではこういうパターンで会社の成長を計っていますが、各社が必勝パターンを構築することで営業活動や経営はもっと楽しく迫力のあるアクティブなものになるでしょう。それに加えて「企業は人」ですから、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)や人間教育を通じた心豊かな人材育成と快適な職場環境を構築し、全社員一丸となって繁栄を目指せば企業は必ず永続し、成長するでしょう。